この記事では、2022 年最新版の無料ソフトウェアを使って CD 音源を高音質で Windows 10 の PC に取り込む方法を画像つきで解説しています。
音楽ファイルのファイル形式について
CD音源を高音質で取り込む方法をご紹介する前に、前提知識として音楽ファイル形式について簡単に解説します。
本記事では、2通りのファイル形式で音源を取り込む方法をご紹介します。
それぞれメリットとデメリットがありますので、どちらの形式で音源を取り込むかの判断材料にしていただければと思います。
音楽ファイル形式 – .wav
Windows の標準で使用される音楽ファイル形式で、非圧縮のため CD とほぼ同じ音質で取り込むことができます。
Windows に音源を取り込む場合のファイル形式として wav は最も音質の良いファイル形式の 1 つです。
音質は最高なのですがデメリットがいくつかあります。
- 非圧縮のためファイルサイズが大きい
- (今回ご紹介する方法では)アルバム情報やアーティスト情報などをファイルに付加できない
サイズの大きな音楽ファイルは、PC の大容量ハードディスクに保存して PC オーディオで聴く分には問題ありません。
しかし、一旦 PC に取り込んだ音楽ファイルをスマートフォンや音楽プレイヤーに入れて聴くことの多い現代ではデバイスの容量を圧迫してしまうので避けたいところです。
ファイルサイズは 1 曲あたり 40 ~ 50 MBになります。
また、スマートフォンなどで利用する音楽アプリでは、アルバムごとの表示やアーティストごとの表示は音楽ファイルに付加されている情報を基に行われる場合が多いのです。
しかし、今回ご紹介する方法ではそのアーティスト情報などを音楽ファイルに付加できないため「不明なアーティスト」などと表示されてしまい、扱いづらいファイルが作成されてしまいます。
なぜアーティスト情報などが付加されない方法を紹介するのかというと、「最も簡単な方法だから」です。
別の方法を使えば音源の取り込みと同時に wav ファイルにアーティスト情報などを付加することは可能ですが、全て英語のちょっとマニアックなソフトを使わないとできないので、今回は紹介しません。
これらのデメリットを解消するため、別のファイル形式で高音質で取り込む方法も解説します!
音楽ファイル形式 – .mp3
mp3 という単語は聞いたことがある方も多いと思います。
最近はあまり聞かなくなりましたが、昔は音楽プレイヤーのことを mp3 プレイヤーなんて呼びましたよね!
昔からあるファイル形式なので音質は悪いんじゃないの?と思われる方もいるかもしれませんが、適切な設定を行って mp3 で取り込めば良い音質を保持することができます。
さらに、mp3 は wav の持つデメリットを全てクリアしているファイル形式で、次のようなメリットがあります!
- 圧縮されているためファイルサイズが小さい
- アルバム情報、アーティスト情報などをファイルに付加可能
- 音楽を再生できるほぼ全てのデバイスでサポートされている (再生可能)
mp3 は取り込む過程で人が聞き取りにくい部分を削除する (圧縮) という工程を踏んでいるため、人の耳には CD 音源そのままの高音質に聞こえるけれどファイルサイズは小さく抑えられています。
ファイルサイズは1曲あたり 5 ~ 10 MBになります。
ただし、一度 mp3 で取り込んだデータを wav のような CD 音源そのままのような形式に変換することはできない (非可逆圧縮) というデメリットもあります。
とはいえ、CD を持っているなら wav 形式で再度取り込めば良いだけの話なのでたいしたデメリットでもありません。
アルバム情報などの情報を音楽ファイルに付加することができるため、スマートフォンなどの音楽アプリ上では自動的にアーティストごとやアルバムごとに表示させることができます。
また、音楽を再生できるデバイス (機器) ならばほぼ全てのデバイスで mp3 を再生することができるなど、非常に取り扱いやすいファイル形式です。
mp3 の後継規格として AACというファイル形式もあるのですが、音質は大して変わらないので今回は馴染みのある mp3 を紹介しています。
iTunes を使ってCD音源を高音質で取り込む方法
iTunes の入手
今回CD音源の取り込みに使用するソフトウェアは iPhone や iPad でおなじみの Apple が開発する「iTunes」です!
Windows 用の最新版の iTunes は Microsoft Store から入手できます。
本記事更新時での最新バージョンは 12.12.3.5 です。(2022/03/29)
古いバージョンの iTunes をお使いの場合は、ソフトウェアのアップデートを行わないと画面構成が異なる場合がありますので注意が必要です。
CD音源をPCに取り込む方法
前置きが長くなりましたが、ここからは CD 音源を PC に取り込む方法を解説します。
準備した iTunes を起動して、取り込みたい CD を PC にセットします。
自動的に CD タイトルやトラック名が表示されたページに移動するはずですが、そのようなページが表示されない場合は iTunes のウィンドウ左上にある CD マーク (下の画像参照) をクリックして表示させてください。
CD 音源の取り込みを開始するには、ウィンドウ右上の「インポート」をクリックします。
※インポートではなく「読み込み」と表示される場合がありますが、操作方法は同じです。
「インポート」をクリックすると、「インポート設定」というウィンドウが開きますので、取り込むファイル形式や音質などを設定します。
【wav で取り込む場合】
wav で取り込む場合は以下のように設定します。
インポート方法:WAVエンコーダ、設定:自動
OK をクリックするとインポート (取り込み) が開始されます。
【mp3 で取り込む場合】
インポート方法:MP3エンコーダ
設定:カスタム
ステレオビットレート:320 kbps
音質:最高
OK をクリックするとインポート (取り込み) が開始されます。
インポート中は次の画像のように進捗状況が表示されます。
ピロリンッと音が鳴って進捗状況の表示が消えたらインポート完了です!
取り込んだファイルの保存場所
インポートした音楽ファイルは以下の場所に保存されています。
[ミュージック フォルダ] → [iTunes] → [iTunes Media] → [Music]
以上でCD音源のインポート完了です!
良い音楽ライフを
オーディオは自己満足の世界です。
音質にこだわる方の中には「mp3 と wav なんて音質が全然違う!スマートフォンなどで持ち運ぶ場合でも非圧縮高音質の wav でなければいけない!」という方もいらっしゃいます。
さらに、数年前からハイレゾオーディオが流行り始め、「ハイレゾじゃなければオーディオじゃない」という高級志向の方もいます。
それを馬鹿にするつもりは全く無くて、音楽の聞こえ方なんて聴く人の耳によって違うし、好みも人それぞれです。
今回 wav と mp3 という2通りの形式を解説した理由もここにあって、それぞれのメリットとデメリットを理解した上で自分が納得できる使い方をしてもらえばいいかなと考えています。
私の場合は、スマートフォンなどに入れて持ち運ぶ音楽ファイルは mp3、自宅のオーディオ環境で聴く場合は高音質の wav という風に、それぞれのメリットを活かして使い分けています。
なお、CD 音源をハイレゾ品質で取り込む方法は「CD音源をハイレゾで取り込む・ハイレゾ化する方法」でご紹介しています。ご興味があればぜひご覧ください。
以上、Windows 10 の PC にCD音源を高音質で取り込む方法をご紹介しました!